父子草と母子草

春の七草で御形(ゴギョウ、またはオギョウ)
と言われている黄色い花が咲く母子草(キク科)は、
葉が白っぽく、うさぎの耳のように柔らかく、
とても優しい雰囲気の草です。
どこにでもあるようですが、最近特に
少なくなってきました。+-
母子草があるので、父子草(キク科)と
名付けられたという母子草に似た父子草は、
本に、
「近年減少が著しく、自然度の高い里山
や丘陵草地でやっと出逢えることがある程度。
都会のごく一部の公園の植え込みなどで、
しみじみと暮らしているので、
愛でてあげたい」
とある位。これでは父子草には中々
お目にかかれないとは思いながら、
一度見てみたいなあとずっと
思っていました。
ところが先日、実家の芝生の草を
取っていると、何となく父子草に
似ている草があります。
(これ父子草に似ているけれど、
まさか・・・)思いながら、念の為
2,3本摘んで持って帰り、今まで
父子草かな?と思って調べても、
外来種の父子草モドキであったり、
裏白父子草であったりで、いつも
がっかりでしたので、今回も期待
せずに調べてみました。
ところが今回は、本当に在来の父子草
だったのです☆

どうして実家の芝生に?と思って
調べてみると、父子草は芝生にも
よく生えるとあったので、多分ですが、
30年以上前に植えた芝生に元々
父子草の種が付いていて(その
当時はまだそんなに珍しくのでは
ないかと思います)、その父子草が
何十年もの間、芝刈りをうまくすり抜けて、
刈られて種が上手く落ちなかった年も、
多年草なので、細々と続いたのでは
ないかと思いました。

母子草も弱々しそうなのに、
父子草は母子草より弱々しい感じ。

父子草と母子草と両方生えていました。

その2、3日後に、関ヶ原に行ってみると、
また父子草に出会いました。

続けて見るなんて、本当にびっくり。

父子草と母子草と。

ちなみに外来種の裏白父子草が自宅の
駐車場に生えていたので、採って来て
挿して置いたら、いつの間にか種に
なっていました。

裏白父子草は、葉の表はつやのある
濃い緑色、裏は白っぽいうすい
グリーン色です。父子草は花が一番
先にまとまっていますが、裏白父子草や
父子草モドキは、花が段々についています。
父子草や母子草の種には小さい虫が
ついていて、父子草はわかりませんが、
母子草はそういう虫が付いていないと、
種ができません。


父子草にも小さい虫が
虫が付いていたので、多分母子草と
同じなのではと思うのですが・・・。
それに比べて、裏白父子草は全然
虫が付いてなくても、自家受粉で
沢山種が出来てしまいました。

これではどんどん増えるのも、無理は
ないわと思いました。
父子草もこれ位、繁殖力が強いと
いいのですが・・・。根本から匍匐枝を
出して増えてはいくそうですが、
草刈りがひどい近年は、ギリギリ
つながっている程度で、たとえ
種が飛んでも、余程合った地面でないと、
つかないのではないでしょうか?

2023年6月4日(日)